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知床 ニュース, 2022-05-30, 「瞬間に海が顔色を変える」「小さな穴から浸水では…」専門家が見た知床とカズワン 求められる新ルール (22/05/30 20:05), 「風が穏やかでも慎重さが必要」水難事故の専門家は沈没事故の背景にウトロ特有の事情があると指摘します。

　水難学会 斎藤 秀俊 会長：「かなり冷たい。30秒ほど入れているけど手がしびれてきている」

　斎藤会長は、5月26日木曜日から斜里町ウトロに入りました。まず注目したのは海水温でした。ウトロ漁港の水温は約10度。

　斎藤 会長：「（Q：事故当時の海水温が2度だとどれくらい?）2度だと、入った瞬間に叫び声をあげます。ほとんど体が動かなくなる。30秒でしびれてくる感覚があったけど、それが一瞬で来る。まさに氷水ですよね」

　この日は、大型観光船「おーろら」に乗り知床の海をみる予定でしたが、荒天の予報のため欠航になりました。

　しかし、搭乗時刻の午前10時30分になっても風が全く吹いていませんでした。そこにウトロ特有の事情があるといいます。

　斎藤 会長：「港のすぐ後ろが山になっていて、南風を遮ってくれる。北風が吹くとものすごい風を受けてすぐに波が立ってという状況がわかる。素人目だと天気のいい日になぜ出航しないと言ってしまう」

　事故当日の風の動きを見てみると、午前9時の段階では、反対の羅臼側からの風の影響を受けずウトロ漁港周辺は無風に近い状態です。しかし正午を過ぎると、急に北西の風に変わり風速は15ｍを超えていました。
　風速の変化に合わせるように、波の高さも正午を境に急激に高くなっているのがよくわかります。

　斎藤 会長：「急に北西の風になった瞬間に海が顔色を変える。コントラストが極めて強い場所だったんだと改めて思う」

　この日、欠航した「おーろら」の中を見せてもらいました。船内のロビーには新たに「安全への取り組み」が大きく掲示されていました。

　斎藤 会長：「一番関心がある時。、救命いかだへの乗り方とか具体的にどうやって乗りこむかというのを写真で説明しているのは、いい試みですよね」

　さらに、「おーろら」には救命いかだを定員分用意されています。KAZU1（カズワン）には、搭載されていなかった「救命いかだ」は、水温が冷たい中で生死を分けるといいます」

　おーろら乗船員：「（Q:落ちたら勝手に開く？）下に落ちたら膨張する」

　斎藤 会長：「安全運航するためには付けないといけない規則」

　国交省は27日金曜日、寒冷地の小型旅客船に対し救命いかだなどの設備を義務付ける方針を明らかにしました。

　今後、小型船にも搭載しやすいサイズで水に触れないスライダー付きの救命いかだの開発を待って義務化を進める予定です。

　27日「KAZU1（カズワン）」が網走港に到着しました。

　斎藤 会長：「やっぱり小型船。かなり小さく見える。シートで覆われていても外観は出ている。損傷があると、どうしても隠しきれない。大きな損傷は特に見えない」

　斎藤 会長：「（Q:きれいに残った理由は？）浸水はあった。大きな穴ではなく小さな穴からジワジワ入ったのだと思う。そういう浸水じゃないとここまできれいに揚がってこない」

　12人が今も行方不明で捜索が今も続いています。二度と事故が起こらないよう、徹底した事故原因の追究と新たなルール作りが求められています。, 北海道ニュースUHB

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